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危険な危険な体験談1/5

注意 : 長い長い話なので、時間のある時にお読み下さい


1998年の風のきつい冬の事です


朝7時頃、漁港を出発しました。
海はまったくの無風です。
でも、漁港を出るとき地元の漁師のオッチャンが一言。
今日ははよ帰ってきいや。と言ってくれまして、
私は不審に思いながらハイと返事をして出発しました。

今日は、短時間に釣れて自己最高のガシラも釣り上げました。
でも、その頃から、風が出てきて、釣りにならなくなってきたので
9時ですが、帰る事にしました。

出港漁港の目の前(200メートル)まで帰って来れた事で、
余裕が出てきました。
まだ、9時です。
でも、風が強くてとても、釣りなんて出来る状態ではありません。
ボートがあっと言う間に流されて行きます。

後から聞くと警報か、注意報が出たらしい
(でも、くれぐれも前日夕方の天気予報はそんなん出てなかった)
あの、地元漁師の言う事を聞いて
直ぐに帰れば良かったと後になって思いましたが、、、、、

だけど、前から気になってたポイント
(漁港から500mの距離でハマチのポイント)
を見たくてなって、行きました。
行きはよいよい帰りは恐いじゃないけど、
行きは追い風で、滑走できたんですが、

ポイントに着いても釣りが出来るはずもなし、
シャーない。もう、帰るか。
と帰ろうとゴムボートの向きを風上に向けようとするのだが、
風がきつくて向けられない!!
これは、やばい、早く帰らねばと思い、
もう一度、風上にボートを向けて
アクレルを強く吹かした時でした。

あ、あ、あ、あーーーーー
前に積んでいた荷物が、足元に
ずずずーーーーーーーと


すべって来たかと思うと、
ボートの前部が軽くなって、、、
あーーーーー。
仰向けにスローモーションで倒れてきました。
その後は、、、、、

続く

                 

1998年の風のきつい冬の事その2

私はゴムボートの背中におひざして座り、(エンジンは倒立してます)
オールを水中から外し、
桃太郎の心境でオニはどこだ!!
どんぶらこっこ、
どんぶらこっこ、
と流されて行きました。

すると寒すぎます。(警報が出てました)
スキー用のダウンを着ていたんですが、
水の中では役に立ちません。
風がキツイんでメチャ寒い!!
でも、海の中に入ると、、、、、、、

暖かいいいいいいい
ションベンの様にくせになりそうな、暖かさです。
そんな事はどうでも良いけど、

風に流されていると関電の岸壁が見えてきました。
するとそこに忍者の様に歩けそうな
平行に水平な境目が見えてきました。
あ、あそこなら関電の壁ぞいに伝っていけば
助かるかもと
到着後の経路を目で確認してました。


しししし
しかし、近づくにつれてその岸壁近くの波の高さに驚きました。
岸壁の側の波の高低差は2m位あります。
そこに掴まるなんてとてもとても出来そうにありません。


さらに岸壁が近づいてきて
目の前に迫ってきました、。


そこで、よく見ると
その関電の岸壁にはびっしりとカキガラが付着してます。
自慢のゴムには、天敵です。

しかし、オールで方向を変えようにも外したオールなので
支点がふらふらして(今のわてみたい)漕げません。
仕方がないので、ギブアップして風に任せて
岸壁まで流されて行きました。

いや、ほんま!!
この時は、死ぬかと思いました。
岸壁に近づいたら岸壁を足で蹴り、
自分の身体がカキガラにこすられそうになりながら、
なんとか、関電の岸壁から離れる事が出来ました。

☆ 続く ☆

       


1998年の風のきつい冬の事その3


なんとか、岸壁から離れる事が出来たので
長靴を脱ぎ、止まっているエンジンに足を掛けて
さかさまになったボートの上になんとか乗る事が出来ました。
 
ボートの上におひざして、強風に流されるままに流されて
行きましたが、右前方に関電の屋外作業場があり
階段が見えるのでそちらに行こうとオールで漕ぐんですが
風が強いのとオールが固定できてないので少し近づいては
離れて行くの繰り返しです。
しばらく、頑張ったんですが、、、、、
諦めました。
やはり、風には勝てません。
 
そのまま、風に流されるがままにしていると
フケ港の沖の一文字が近づいてきます。
もう少し左に寄ると砂浜のある場所に流されるんですが、
残念ながら無理でした。
 
そして、とうとう一文字に到着しましたが、
この一文字の手前には大きなテトラが並んでいます。
このテトラもカキガラで一杯です。
へたをすると大怪我をします。
波の高低差が1mほどあり、風もすごい強風なので
簡単には乗り移れません。
 
しかし、やっとロープを引っかけて乗り移る事ができました。
その後、ボートを見ると
波と風にあおられてテトラに乗りあがっています。
もう、多分、海に降ろす事は困難に思われました。
 
でも、自分の身体は一文字に上れたので、一安心です。
風も遮られます。
風を遮ると太陽があたり、結構、暖かいです。
さて、これからどうするかな?と考えましたが、、、、、
 
 
****************************
 
.100メーター程なので泳いで陸に行く。
 
.誰か、通りかかるのを待って、陸に降ろしてもらう。
 
.ボートをもう一度、テトラから離して、陸まで流されて行く。
 
****************************
 
(検討結果)
 
NO.1は行けそうに思うが、陸に人がいるのでカッコ悪い。
と思ったが、服(ダウン)を着たまま泳げそうにない。
 
NO.2は期待を持ったが、こんな強風には漁師も船を出していない。
 
NO.3はボートを陸から離すのが不可能に思えた。
 
*****************************
 
(結果)
30分〜1時間位、テトラの上でボートしていたが、
良い手段が思い付かない。
その時、フケ港発、淡路島行きのフェリーが出発した。
 
私は、免許取り立ての腐った頭で遭難手旗信号
(手を頭上でバッテンに振る)を思い出し
フェリーから見えるかどうか保証はないが、
手を振ってみた。
すると、フェリーのオッチャンが手を振ったのが見えたので
私は漁船か漁協に連絡してくれるもんだと思っていた。
安心し待っていたが、
(こんな荒れた日に漁船を出してくれる漁師はおらん)
 
 
しばらく(15分位かな)待っていると
上空にヘリが近づいて来た。
能天気な私は、何しに来たんやろと不審に思っていたら、
マスマス近づいて来よる。
ヘリが私の頭上に止まって、初めてわかりました。
(これって、ひょっとしてわての為にきたん?)
そうなん(遭難)です。って駄洒落を言ってる場合じゃおまへん。
エライこっちゃ!!
 
その内、皆さんがテレビで良く見た光景と同じです。
ロープと共に1人がヘリから降りて来て私を釣り上げて行きました。
その時、気が付いたんですが、ビデオをこちらに向けて撮影してんねん。
何すんねん。
スターやんけ。とちょっと、胸を張りました。
その間、約5分。
 
その直ぐ後にごっついでかい
海上保安庁のボートがものすごいスピードで一文字に
到着しました。
(あんたら、競争してんの?と正直思いました)
 
贅沢は言えませんが、あのボートの方が良いのに、、、、、、
と思いましたが、もうヘリに乗っています。
まな板のコイ状態ですわ。
 
 
そこで、へりの乗組員の方が、
ボートはどこから出したん、車はどこに置いてあるん?
と聞くので、丁寧に谷川漁港だと伝えたところ
谷川漁港に降ろしてくれるんかいなと思ったんですが、
世の中そんなに甘くないですわ。
 
 
調書を取るからと大阪に向かって海岸沿いを
すごい強風の吹く中を空中散歩させてくれました。
あんたら、2次災害が起こったら、どうすんねん
と思ったが、なんともなりません。
 
 
こってり、調書を取られた後、
はだしやのに、さあここから帰れと言わはんねん。
たまたま、ヨメハンが休みで家におったから、
服と靴を持って来てもらいました。
やれやれでした。
この後、谷川まで車を取りに行きました。
あーーー
大変な一日でした。
 
以上。
長い事、お付き合い下さいましてありがとうございます。
では、また。

 

                       

● おまけ ●

あ、そうそう。
このボートは漁港の作業船で陸に揚げてもらい
エンジンはポシャリましたが、
ボートは無料でアキレスさんに修理してもらい
(2005年)
まで使っていました。

この時に内部に亀裂が少し入ったみたいでほんの少しだけエア漏れしています、
でも、満タンに空気を入れると半日は大丈夫です(1日だと少しブヨブヨしてくる)

(アキレスさんの宣伝をさせてもらいますと

1晩中カキガラにこすられたのに
空気は抜けていませんでした。
ゴムボート強し、ハイパロンゴム強し、アキレス強し!!)

2006年追記

この後、2005年にパフェを買ったため オークションでエンジン付きでジャンク扱いで販売しました。
ゴムボートは組み立てやアイテムの準備が大変ですが、今回のような事がなければ非常に安全なボートです。
初心者の方はまず、ゴムボートから始めるのが良いと思います。

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